トランプ氏の会見における経済関連の発言と日米貿易の現状
アメリカのトランプ次期大統領は、大統領就任を前に、日本時間の12日午前1時すぎからニューヨークのトランプタワーで、去年7月以来、およそ半年ぶりとなる記者会見を開いた。
経済関係でのポイントは以下8点。
- 史上、最も多くの雇用を生み出す大統領になる。きちんと結果を出す仕事をする。
- メキシコに生産拠点を置く自動車メーカーへの批判による対応について、フォードがメキシコへの工場の移転計画を撤回した。GMもこの動きに続くことに期待すると述べる。
- 製薬会社に対し、多様な薬を供給しているが、その多くをアメリカで作っていない。適切な価格で購入し何十億ドルと節約できるようにすると述べ、薬価の引き下げを求めることを示唆。
- メキシコなど勝手に海外移転しようとする企業には高い関税をかける。ミシガンからテネシーなどに移転すればいい。
- トランプ氏は大統領職に専念し、今後は息子2人が会社を経営する。
- 中国や日本、メキシコなど、どの国とも良い取り引きができていない。貿易の不均衡を是正する必要がある。今後は、すべての国が、これまでのアメリカのどの政権に対してよりも敬意を払うことになるだろう。
- メキシコとの国境沿いに壁を築き、その費用はメキシコ政府が負担する。
- 最高裁判事の指名は1月20日から2週間以内になる。
外務省HP、財務省貿易統計、ジェトロ世界貿易投資報告(2016年版)、日本政府観光局(JNTO)によるアメリカの輸出入上位国。
輸出 |
輸出総額:1兆5,025億7,200万ドル[2015年] |
輸入 |
輸入総額:2兆2,482億3,200万ドル[2015年] |
また、日米貿易では
輸出 |
輸出総額:1,313億6,400万ドル[2015年]※( )内はシェア |
輸入 |
輸入総額:624億4,300万ドル[2015年]※( )内はシェア |
日本の主な輸出入相手国:アメリカ | JFTCキッズニュース
さらに、アメリカ商務省の国際収支統計から日米貿易サービス(サービスカテゴリーにおける日米間貿易)を見ると以下のようになる。
(アメリカから見たサービス輸出入)
【輸出】
2013年のサービス総輸出額6,874億ドル
品目は旅行(教育目的の旅行を含む)1,731億ドル、
知的財産権使用料1,292億ドル
輸送873億ドル
金融841億ドル
通信・コンピューター・情報334億ドル
維持・修理163億ドル
保 険161億ドル
これら以外のビジネス・サービスが1,234億ドル
【輸入】
2013年のサービス総輸入額は4,621億ドル
品目は旅行(教育目的の旅行を含む)1,047億ドル
輸送908億ドル
保 険505億ドル
知的財産権使用料390億ドル
通信・コンピューター・情報329億ドル
金融187億ドル
維持・修理76億ドル
これら以外のビジネス・サービスが927億ドル
http://www.iti.or.jp/kikan101/101takii.pdf
参考:サービス貿易とは
サービス貿易4態様の合算により算出される。
第1モード 国境を超える取引
電話で外国のコンサルタントの利用
外国のカタログ通信販売の利用など
第2モード 海外における消費
外国の会議施設を使って会議の実施
外国で船舶・航空機などの修理の実施など
第3モード 業務上の拠点を通じてのサービス提供
海外支店を通じた金融サービス
海外現地法人が提供する流通・運輸サービスなど
第4モード 自然人の移動によるサービス提供
招聘外国人アーティストによる娯楽サービス
外国人技師の短期滞在による保守・修理サービスなど