芥川賞は山下澄人氏「しんせかい」、直木賞は恩田陸氏「蜜蜂と遠雷」が受賞
第156回芥川賞と直木賞の選考会が行われ、芥川賞に山下澄人氏の「しんせかい」、直木賞に恩田陸氏「蜜蜂と遠雷」が選ばれた。
山下澄人氏は、兵庫県出身の50歳。神戸市内の高校を卒業し、倉本聰氏が富良野に設立した「富良野塾」に2期生として入り、脚本や演出などを学ぶ。
「しんせかい」は、「富良野塾」で過ごした日々を題材にした短編小説となっている。
「しんせかい」の授賞理由について選考委員の1人で作家の吉田修一氏は、『はじめから一番高い点数を取って、宮内悠介氏の「カブールの園」と争った。山下氏の今回の作品は王道の青春小説でおもしろく、山下氏の作品として新しい』と説明した。
一方の恩田氏は、宮城県出身の52歳。早稲田大学を卒業。『夜のピクニック』(新潮社)で「第2回本屋大賞」「第26回吉川英治文学新人賞」を受賞している。
「蜜蜂と遠雷」は、日本の地方都市で開かれた国際ピアノコンクールを舞台に、さまざまな経歴を持つ若者たちが予選・本選に挑む青春小説となっている。
選考委員の1人で作家の浅田次郎氏が会見し、『1回目の投票から恩田さんの作品が高得点を取った。音楽とか才能、天才ついて文章で表現するのは難しいが、恩田氏は多様な表現で音楽を言葉にすることに迫り、上手にさばいて物語にした。』と説明した。
両賞の選考委員一覧(五十音順・敬称略)。
■芥川賞:小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、高樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、村上龍、山田詠美、吉田修一
■直木賞:浅田次郎、伊集院静、北方
第156回「芥川賞」に山下澄人氏『しんせかい』 「直木賞」に恩田陸氏『蜜蜂と遠雷』 (オリコン) - Yahoo!ニュース
第75回(1976年上半期)には村上龍の『限りなく透明に近いブルー』が芥川賞を受賞。芥川賞受賞作の累計発行部数の歴代1位。単行本・文庫合わせて354万部となっている。
2016年06月までは又吉直樹『火花』は単行本のみで240万部を突破。芥川賞受賞作として単行本発行部数歴代1位を記録している。
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2014年1月の第150回芥川・直木賞の候補作にあげられた11作品(直木賞6作品、芥川賞5作品)の販売部数に関する内部メモによると。
すでに刊行されている直木賞の候補作6点のうち、初版部数が1万部を超えているのは2点。中には初版部数5000部、4刷で8000部となっている候補作もある。
ある候補作には直木賞の「受賞時最大8万部重版」との記載がある。
芥川賞は候補5作品のうち、既刊は1作品。残りの4作品は文芸誌に掲載されたのみでまだ刊行されていない。そのうちの2作品の欄外にこのような書き込みがある。
「受賞時5万部 受賞しなかった場合0.5万部」
「受賞時未定 受賞しなかった場合0.3万部」